2021年2月
2021年2月19日
不審者侵入想定防犯訓練
園は防災避難訓練を毎月行います。2月は不審者侵入を想定して、思い思いの遊びの時間に0歳児から5歳児全員が安全な場所に一斉に避難する回でした。侵入者役は、桐生警察スクールサポーターさんです。
具体的な流れの説明は省きますが、先生の誘導で子どもたちはあっという間に園舎内に避難しました。課題もありましたが、素早く避難できたと思います。
遊戯室の前では、捕縛訓練で3人の先生たちがさすまたの使い方を習います。現実的には捕縛は難しいでしょうし、身の危険を冒してまで侵入者に立ち向かう必要はないでしょう。ただ保育者は、子どもを守らなくてはならない場面に直面したら撃退しないではいられません。さすまたの使い方以外にも撃退の対応方法を教えていただき、実際自分がどう動くかをめいめいが考えました。それもこの訓練の大切な意義です。
その後、遊戯室にきりん、うさぎ、ひよこが集まり、スクールサポータさんのお話を聞き、「いかのおすし」のDVDを観ました。
子どもたちに、「いかのおすし」って何?と尋ねてみてください。答えられるかな。
最後に大声を出す練習です。いざというとき、声を出したり抵抗したりすることは、練習なしには難しいです。
子どもたちはよく話を聞き、大きな声が出せました。保育室に戻ってから一人ひとりが声を出してみました。
まずは危険に近づかないことですが、犯罪をもくろんでいる人物は一見してわかりません。時には優しそうな顔で近づいてきます。また、助けが必要だと言われれば、「困った人には手を貸そう」と教えている園の立場としては、無視して立ち去れというのは矛盾です。
好意で声をかけてくれる人や助けが必要とする人と肯定的にかかわりながら、どう身を守るか。これは大丈夫、これは怪しい、これ以上は危険と見極めることのなんと難しいこと。これは、われわれ大人にも課せられたテーマだと思いました。今のところ、警戒心を強めに持ち、少しでも怪しいと思ったら大人に知らせるということを教えています。また、いかのおすしを子どもたちに守ってもらうと同時に、犯罪をさせない社会を築く責任が大人にはあることを痛感した防犯訓練でした。
2021年2月17日
作品展レポート
2月13日(土)作品展でした。遊戯室は全クラスの共同製作が飾られ、素敵な「おかしのくに」ができあがりました。きりん組はテーマパークのスタッフとなり、お客様のおもてなしをします。
ボーリングゲームです。お菓子のピンを、ロールケーキで倒してください。ピンはうさぎ組が作ってくれました。
お菓子の絵を描くために、箱を持ってきてもらったのですが、お家の人にじょうずにおねだりしてお菓子を買ってもらったうさぎ組さんたちでした。
あめ探しゲーム。5個探してみてね。こちらは難しいほうです。
こちらは簡単なほう。ん?何が違うの?よく見てください。簡単な方は見えやすくおいています。子どもたちの考えたルールです。スタッフの配慮に感心!
その先には、なんておいしそうなバースデーケーキ。
ひよこ組の共同製作です。つくった人たちも大満足。
大作、おかしのいえ。まるで住めそうです。
隣にはおいしそうなカップケーキ。大きいよ。
向かって左が、おひさま組にじ組はと組の共同製作。右がたまご組が作りました。ホイップクリームは食いしん坊くんのリクエスト。
プリンのバスでは、お乗りいただいた方を撮影いたします。
おみやげについてご説明いたします。4つ全てをまわってシールを集めていただいた方にすきなストラップ一つを差し上げます。
今年度は密にならないように、時間を区切ってお客様をおもてなししました。でも、これでちょうどよいかもしれません。例年、ほんもののテーマパークのように大混雑ですから。
13日は1時間のお家の人のおもてなしタイム。15日は小さい組に遊んでもらいました。お疲れ様でした。この作品展で子どもの何が育ったのか、次回お知らせします。
2021年2月9日
心の基地があるから立ち向かえる②
今年特に感じたのは、子どもたちは怖がって泣いているけれど、ちゃんと立ち向かって行っているということです。怖がらせるだけの鬼登場でなく、ちゃんと成長につながる行事にしようと取り組みを変えてきた甲斐があるというものです。
年長組のIちゃんは「いやだいやだよー!」と泣いて先生の後ろに隠れていたけれど、鬼の様子をよく見ていて、後ろからちょうど背中に当たるように豆を投げつけていました。うまいっつ!やみくもに怖いものに立ち向かっていっても、返り討ちに遭うだけです。頭を使ったのね。
これを、今後人生で出会う困難と考えてみましょう。根性論で「頑張れ、負けるな!」「乗り越えろ!」と鼓舞するだけで、乗り越えていけるのでしょうか。頑張るためには、支えてくれるものの存在が必要です。
来訪神とわかっていても鬼は怖い。そんな時、大人が守ってくれると信じられたら、自分の中の鬼を追い出すために立ち向かおうとできるのではないでしょうか。
大人にしがみつけるのは子どもの特権です。しがみつきながら、怖いものや辛いことに立ち向かっていければいいじゃないですか。そのために助けてくれる人はいる。そんな記憶が心の底に残ってくれるといいな、と思う立春の一コマでした。
そして、守るものがあるから強くなれるのも真実。大人も子どもによって強くさせてもらっているのですね。
2021年2月8日
心の基地があるから立ち向かえる①
今年は124年ぶりに、節分が2月2日だったそうですね。が、のびのびこども園には2月3日に鬼がやってきて豆まきをしました。
鬼は年に一度訪れる来訪神です。豆まきは、心の中の鬼を退治するという自分に向き合うちょっと難しい行事。でも、それぞれが心構えをし、当日を迎えました。
まだ余裕のあるひよこ組保育室内。
全員で園庭に並び、鬼と戦う準備です。あっ、あれは?
なんだ。給食棟の栄養士さんと調理師さん。
その時
フェンスを飛び越え鬼登場。
捕まった!
逃げろっ。今は逃げるんだ
戦う子もいます。
余裕の子もいます。
ああっ、たいへんだ!一番小さいたまご組に鬼がいってしまった
でも、豆を投げると、おっ、効果がある。
(実は今年、鬼役の人に『豆を投げられたら痛がってください』とお願いしてありました。無敵の鬼で、豆を投げたら追いかけてくるのでは向かっていけませんものね。)
きりん組のお兄ちゃんも応援に向かいます。
鬼は神出鬼没です。思いがけない方から現れます。
うさぎ組のKちゃん、おいおい泣きながら教頭の陰に隠れました。その後、少ししがみついて泣いていた後、再び鬼に豆を投げに行ったのです。すばらしい勇気
Aくん鬼と記念撮影です。
おお、鬼も疲れてきたようです。門から逃げようとしています。
逃げていきました。最後まで見届ける子どもたち特に年長きりん組。続く
2021年2月5日
言葉ではないコミュニケーション
メラビアンの法則によると、人がコミュニケーションで受け取る情報は、言葉によるものはたったの7%だということです。ましてや言葉を獲得中幼児にとって、言葉以外の情報がいかに大切かということがわかります。
のびのびこども園は、令和元年度から太田のドレミ株式会社より音楽療法士をお招きして、月1~2回音楽♪笑顔教室を開催しています。ドレミ株式会社は、「音楽でみんな笑顔になれる」を合言葉に、音楽と福祉に関するサービスを提供しています。
もともとははと組の音楽療法を目的に始めましたが、音楽を聴いたり音をならしたりすることを楽しみ、音楽を通して気持ちを通じ合わせる、合図を理解するなどの方法が低年齢児とも共通するので、にじ・おひさま組やたまご組とも合同で行っています。
珍しい楽器はみんな好きなだけ鳴らしたい。でも、順番ね。5人なら待てるかな。先生の真似をして鳴らそう。とんとんとん。
「いい音でしょ」「楽しいね」言葉で言うと、こんな感じです。でもとんとんとん、お返事とんとんとんで同じことが伝わります。
た・た・た・た・た・た、ストップ!先生が音を鳴らすのをやめたら、子どももやめます。「やめて」と言わなくても伝わります。
鈴のついたリボンをみんなで振ってシャンシャン音を鳴らします。「一人だと出せない音。力を合わせるとこんな音が出るんだね」とは言いませんが、1歳、2歳の子どもたちは面白さを感じています。
ゆったりとした音楽に合わせて、布がふわりふわり。空気や風を感じます。ああ、いい気持。リラックスのひと時です。「落ち着きましょう」の声掛けはいりません。
音楽♪笑顔教室に参加していて、大人はいかに言葉で子どもを動かそうとしてしまうか、ということを反省させられます。危険なものを置いてさわろうとした子どもを叱るより、置かない、手の届かないようにすることが、一番の「さわってはいけない」というメッセージです。大きい声で「静かにしなさい!」と怒鳴るより、黙って視線を送る方がよっぽど効果があることがあります。
好意もしかり。口だけで「大丈夫?」というより、心配そうに顔を覗き込む方が気持ちが伝わります。障害児の対応で、指示が伝わりにくい子どもに20分毎に何気なく声をかけると支援者の言葉に反応するようになったという実験結果があります。「自分のことをいつも気にかけてくれるんだ」というメッセージが伝わったということでしょう。こちらの言うことをきいて欲しい時だけ話しかけるのではだめなんですね。
やさしい歌声でお話を奏でるドレミの先生。子どもたちはじっと聞き入ります。集中してよく聞く(聴く)というのも大切なこと。でも、この空間で何が子どもに伝わっているか言葉で表すのは野暮といえましょう。楽しい幸せな時間を過ごした、はと組、たまご組の子どもたちでした。
言葉ではなく伝えること、伝わってしまうこと、子どもに携わる仕事に就いている者は大事にしなくてはならないな、と思った2日、3日の二日間でした。