のびのびこども園

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2022年7月6日

バッタの原っぱが来年も続きますように



夏が来ました!

園の西、通称バッタの原っぱでは夢中で虫探しをする子どもが大勢います。



「いたぞ!」「どこどこ?!」

今年は梅雨明けが早く、赤ちゃんバッタがたーくさん生まれています。

しかし、毎年問題となるのが、乱獲。何十匹捕まえても飼い切れず死なせてしまうことも…。その場で言葉で説明してもなかなか伝わらず、言われて逃がすだけではせっかくの学びの機会を失ってしまう。そこでその日のお昼過ぎ、きりん組で「うまれたよ!バッタ」を読みました。


岩最書店「よみきかせいきものしゃしんえほん・16」

バッタの一生。おもしろくてかわいいバッタ。でも生まれて死ぬまでがあるよ。ごはん(はっぱ)を朝から晩までばりばり食べるよ。脱皮をしながら大きくなるよ。子どものバッタは羽が無いか小さいよ。

そして、大人になる前に死なせてしまうと卵が産まれない。卵が産まれないとバッタの原っぱにバッタがいなくなってしまう。ではどうしたらいい…

一つひとつ子どもと対話しながら読み進めます。子どもたちは考えます。
そうか、おもしろいからといって全部捕っちゃだめなんだ。

さて、次の日バッタ探しは続きます。しかし、見方が少し変わりました。

「あっ、脱皮した抜け殻!」


「羽が小さいから、まだ子供のバッタなんだね。」「きりん組くらいかな?」


「ぼく、2匹だけ大切に育てることにするよ。」

捕るより、観察することに重点が移りました。そして虫探しは明日も続くでしょう。

先日SDSsについての講習会に参加したのですが、SDSsの思想は多岐にわたり全体像を理解するのはとても難しいと感じました。しかし、基礎になることが幼児の生活にありました。おもしろいからといって好きなだけ手に入れてしまうと、その枠組みや前提そのものを壊してしまうことになるかもしれない。それが繰り返されると持続可能な社会は実現されないでしょう。その実感を得るのは、こうした自然の中での小動物とのかかわりはいいなあ、などと思った暑い日でした。(教頭・須田)