のびのびこども園

ブログ

2021年2月5日

言葉ではないコミュニケーション

りぼんについた鈴りんりん

 

メラビアンの法則によると、人がコミュニケーションで受け取る情報は、言葉によるものはたったの7%だということです。ましてや言葉を獲得中幼児にとって、言葉以外の情報がいかに大切かということがわかります。

 

のびのびこども園は、令和元年度から太田のドレミ株式会社より音楽療法士をお招きして、月1~2回音楽♪笑顔教室を開催しています。ドレミ株式会社は、「音楽でみんな笑顔になれる」を合言葉に、音楽と福祉に関するサービスを提供しています。

 

もともとははと組の音楽療法を目的に始めましたが、音楽を聴いたり音をならしたりすることを楽しみ、音楽を通して気持ちを通じ合わせる、合図を理解するなどの方法が低年齢児とも共通するので、にじ・おひさま組やたまご組とも合同で行っています。

 

順番に音を鳴らそうね

 

珍しい楽器はみんな好きなだけ鳴らしたい。でも、順番ね。5人なら待てるかな。先生の真似をして鳴らそう。とんとんとん。

 

「いい音でしょ」「楽しいね」言葉で言うと、こんな感じです。でもとんとんとん、お返事とんとんとんで同じことが伝わります。

 

た・た・た・た・た・た、ストップ!先生が音を鳴らすのをやめたら、子どももやめます。「やめて」と言わなくても伝わります。

 

りんりんりん

 

鈴のついたリボンをみんなで振ってシャンシャン音を鳴らします。「一人だと出せない音。力を合わせるとこんな音が出るんだね」とは言いませんが、1歳、2歳の子どもたちは面白さを感じています。

 

ふわりふわり

 

ゆったりとした音楽に合わせて、布がふわりふわり。空気や風を感じます。ああ、いい気持。リラックスのひと時です。「落ち着きましょう」の声掛けはいりません。

 

音楽♪笑顔教室に参加していて、大人はいかに言葉で子どもを動かそうとしてしまうか、ということを反省させられます。危険なものを置いてさわろうとした子どもを叱るより、置かない、手の届かないようにすることが、一番の「さわってはいけない」というメッセージです。大きい声で「静かにしなさい!」と怒鳴るより、黙って視線を送る方がよっぽど効果があることがあります。

 

好意もしかり。口だけで「大丈夫?」というより、心配そうに顔を覗き込む方が気持ちが伝わります。障害児の対応で、指示が伝わりにくい子どもに20分毎に何気なく声をかけると支援者の言葉に反応するようになったという実験結果があります。「自分のことをいつも気にかけてくれるんだ」というメッセージが伝わったということでしょう。こちらの言うことをきいて欲しい時だけ話しかけるのではだめなんですね。

 

段ボールシアター

 

やさしい歌声でお話を奏でるドレミの先生。子どもたちはじっと聞き入ります。集中してよく聞く(聴く)というのも大切なこと。でも、この空間で何が子どもに伝わっているか言葉で表すのは野暮といえましょう。楽しい幸せな時間を過ごした、はと組、たまご組の子どもたちでした。

 

言葉ではなく伝えること、伝わってしまうこと、子どもに携わる仕事に就いている者は大事にしなくてはならないな、と思った2日、3日の二日間でした。