のびのびこども園

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2019年6月18日

あやまるって、難しい

ごめんなさい。いいよ。

今日、幼稚園の備品を壊してしまったAくんがあやまりにきました。

 

備品なんて壊れるのはあたりまえですし、子どもが壊してしまうなんてしかたないのですが、「けじめとしてあやまる」ことをしてもらっています。

 

子どもにとって、職員室で園長や教頭にあやまるのは一大事です。恥ずかしいし、後悔でいっぱいで、無意識のいたずらによってものを壊した場合は自分をダメなやつだと責めます。でも、あやまることのない人生なんてありえません。失敗した!と思った時に頭を下げることを覚えておかなければなりません。

 

Aくんは、担任のB先生に連れられて職員室に入ってきましたが、なかなか「ごめんなさい」が言えません。B先生に「あやまりに来たんだよね」「一緒に言おうか」と励まされても、床に寝転がってしまいました。字の書ける子どもだったので、教頭が「書いてもいいよ」と提案してボールペンとメモ用紙を渡すと、「書けないよ」とB先生に寄りかかってしまいます。

 

10年保育者ベテランB先生は、「言葉でもあやまれない、書くのもできないってていうのは先生いやだな。どっちかでしてください」と追い込みます。そしてしぶしぶ書いたのが、上の写真のことば。書いた後、Aくんは頭を下げダンゴムシのように丸まってしまいました。土下座したわけではないでしょうが、恥ずかしくて情けないのに精一杯謝罪したことが伝わってきました。

 

そして、紙の上の方をよく見ると

バツバツ、バッテン。

バツが二つ書いてありました。字をまちがえたのかな?それとも自分につけたのかな?

 

失敗したと思った時に頭を下げることを覚えておかなければならない、と先ほど述べましたが、もう一つ覚えたほうがいいことがあります。それは、誠意をもってあやまれば、許されることがあるということです。(幼稚園の場合、ほとんど許されます。)特に完璧主義の子どもや、1かゼロかで考えがちな子どもは、失敗すると、世の中全てに叱られたように感じて世を儚んでしまうことがあります。大げさでなく。こうして自分を傷つけ続けてしまうと、あやまるどころか失敗を隠そうとしたり、認めないようになったりするのです。人のせいにしたりもします。自分に置き換えても心当たりがある人はいませんか?

 

失敗してもいいんだよ。だまって逃げずに来られてえらかったね。あやまってくれて先生は嬉しかった。このことはけじめがついたから終わりにして、次に進もう。

 

覚えたての字で、こんなふうに書いてくれる子を本気で怒ることなんてできません^^。(表向き、最初は怖い顔をしますけどね。)